
AIを仕事に入れると、うまくいった記録は残したくなります。
でも本当に大事なのは、うまくいかなかった日の記録です。
昨日のように、作業フォルダが散らかった、保存場所が曖昧になった、クラウド同期が気になった。こういう地味なトラブルは、放っておくと同じ形でまた出ます。
そこで必要なのが、事故メモです。
大げさな報告書ではありません。A4半分で十分です。
事故メモは「責任追及」ではなく「次回の地図」
小さな会社で事故メモというと、少し重く聞こえます。
でも目的は、誰が悪いかを決めることではありません。次に同じ状況になったとき、迷わず動けるようにすることです。
配送で言えば、誤配が起きたあとに「このマンションは入口が2つある」「夜は看板が見えない」とメモする感覚です。責めるためではなく、次に間違えないために残します。
AI運用でも同じです。

最低限書く5項目
事故メモに必要なのは、次の5つです。
- 何が起きたか
- どこで起きたか
- 何を止めたか
- 何を直したか
- 次からどう防ぐか
これ以上細かくしすぎると、書くのが面倒になって続きません。
重要なのは、完璧な文章ではなく、翌日の自分や別のAIが読んで動けることです。

そのまま使えるテンプレ
以下の形で十分です。
## 発生日
2026-05-22
## 起きたこと
作業フォルダが増え、どこに成果物があるか分かりにくくなった。
## 影響
公開前の確認に時間がかかった。外部公開は止めた。
## 対応
成果物を確認し、必要なものだけ退避。不要な作業場所を整理。
## 再発防止
作業開始時に本番フォルダ、退避フォルダ、触ってはいけない場所を明記する。
## 次に見る人へ
本番側の成果物だけ確認すればよい。退避フォルダは削除前に中身を再確認。
このくらいで十分です。
書くタイミングは「完全解決後」では遅い
事故メモは、完全に直ってから書くものではありません。
むしろ、途中で一度書きます。
- 今どこまで分かったか
- 何を止めているか
- どこは触らないほうがいいか
- 誰の確認が必要か
これを書くだけで、作業を引き継げます。
AI作業では、途中の記録が特に大事です。別のAIに渡したとき、前提がないと同じ場所をもう一度調べ始めるからです。
事故メモに書かないもの
逆に、事故メモに書かないほうがいいものもあります。
- APIキーやパスワード
- 顧客の実名リスト
- 認証ファイルの中身
- 公開してはいけないURL
- 個人の住所や電話番号
事故メモは便利ですが、残るファイルです。あとで共有される可能性もあります。
書くのは「何が起きたか」と「どう防ぐか」まで。秘密そのものは書きません。
小さな会社ほど、短いメモでいい
大企業のような本格的な障害報告書は、小さな会社には重すぎます。
必要なのは、次回の自分が助かるメモです。
昨日のトラブルも、きれいに言えば「AI運用の事故対応」ですが、実際には「散らかった作業場を片付けた」に近いです。
だからこそ、短く残しておく価値があります。
まとめ
AI運用でトラブルが起きたら、まず止める。次にメモする。最後に直す。
この順番だけ覚えておけば十分です。
速く直そうとして記録を残さないと、同じトラブルがまた起きます。小さな会社に必要なのは、立派な報告書ではなく、次回の自分を助ける事故メモです。
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あきらの一言
軽貨物でも、トラブルが起きた現場ほどメモの価値があります。「あの建物は入口が分かりにくい」と残しておくだけで、次の配送が楽になる。AI運用も同じで、うまくいかなかった日こそ会社のノウハウになります。
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