昨日、AIに仕事を任せている中で、かなり地味だけど大事なトラブルが起きました。
「作業したはずのファイルが、いつもの場所にない」
エンジニア向けに言うと、Gitのワークツリーまわりの整理です。ただ、この記事では専門用語をできるだけ外して、小さな会社がAIに実務を任せるときの作業場管理として書きます。
結論から言うと、AIに複数の仕事を同時に任せるなら、コードの知識より先に必要なのは「どこで作業しているか」を迷子にしない仕組みです。

ワークツリーは「別室の作業台」
ワークツリーは、ざっくり言えば同じ仕事場のコピーを別室に作る仕組みです。
たとえば、メインの机ではホームページを直している。別の机ではBGMの動画を作っている。さらに別の机ではブログ記事を書いている。これを同時に進められるようにする仕組みがワークツリーです。
便利です。かなり便利です。
ただし、作業台が増えすぎるとこうなります。
- どの机が本番かわからない
- 古い机に成果物が残る
- 似た名前のファイルが複数できる
- 秘密にすべき設定ファイルが混ざりそうになる
- 「もう終わった机」をいつまでも片付けない
配送業で例えるなら、車両が増えたのに鍵の管理表がない状態です。走れる車は増えた。でも、どの車にどの荷物を積んだか分からない。これは速くなるどころか事故の入口になります。
昨日起きたことを一般化すると
具体的な内部ファイル名やパスは出しません。ここは安全のために伏せます。
起きたことを一般化すると、次の3つです。

1. 作業場所が増えすぎた
AIに任せる仕事が増えると、試作用・確認用・別案用の作業場所が増えます。最初は便利でも、片付けないままだと「今どれが正しいのか」が曖昧になります。
2. 成果物と不要物が混ざった
別室の作業台に、必要な成果物と、もう要らない中間ファイルが混ざりました。ここで雑に消すと、本物の成果物まで失う可能性があります。
3. 危ないファイルが混ざる可能性があった
AI運用では、認証情報や一時ファイルが近くに存在することがあります。これをそのままリポジトリに入れると、外に出してはいけない情報が混ざる可能性があります。
ここが一番怖いところです。
コードが壊れるだけなら直せます。でも、秘密情報や顧客情報が外に出ると、信用の傷になります。
修理でやったこと
修理の順番は、いきなり削除ではありません。
まず「何がどこにあるか」を確認しました。次に、必要そうなものを退避しました。そのあとで、不要な作業台を片付けました。
大きくはこの流れです。
- 作業場所を一覧化する
- 本番で使う場所を決める
- 成果物だけを安全な場所へ退避する
- 危険なファイルが混ざっていないか見る
- 不要な作業場所を削除する
- 最後にもう一度、本番側で成果物があるか確認する
地味ですが、この順番が大事です。

「よく分からないから全部消す」は、会社のPCではやってはいけません。倉庫整理で、ラベルのない段ボールを中身も見ずに捨てるようなものです。
AI運用で決めておくべき作業場ルール
今回の件で、あらためて決めておくべきだと思ったルールがあります。
| 決めること | 理由 |
|---|---|
| 本番の作業場所 | 最後に見る場所を1つに固定するため |
| 試作用フォルダの命名 | 古い作業場と新しい作業場を混同しないため |
| 退避場所 | 消す前に成果物を守るため |
| 秘密情報の置き場所 | リポジトリに混ぜないため |
| 片付けるタイミング | 作業台を増やしっぱなしにしないため |
AIに仕事を頼む前に、これだけ決めておくとかなり安全になります。
小さな会社向けチェックリスト
Claude CodeやCodexのようなAI開発ツールを事業で使うなら、次の項目だけでも確認しておくのがおすすめです。

- [ ] 本番のフォルダが1つに決まっている
- [ ] 試作用フォルダの名前に日付や目的が入っている
- [ ] 「あとで消す」フォルダを放置していない
- [ ] 顧客名簿や認証情報が作業フォルダに混ざっていない
- [ ] AIが触ってよいフォルダと、触ってはいけないフォルダを分けている
- [ ] 作業後に「何を残して何を消したか」をメモしている
- [ ] 外部公開前に人間が確認するルールがある
このチェックは、難しい技術チェックではありません。机の上を片付ける感覚に近いです。
一番の教訓:速くする前に、迷子をなくす
AIを入れると、作業速度は上がります。
でも、速くなったぶん、迷子になる速度も上がります。ファイルも、判断も、責任の所在も、あっという間に散らかります。
だから最初にやるべきことは、自動化ではなく整理です。
- どこが本番か
- どこが下書きか
- どこが退避か
- どこに秘密情報を置くか
- 何を外に出してはいけないか
この5つが決まっているだけで、AIはかなり扱いやすくなります。
コマチWEBサポートでできること
コマチでは、Claude CodeやCodexを使った小さな会社向けのAI運用、ホームページ改善、ブログ更新、営業下書き作成までを月3,300円(税込)から伴走しています。
AIを入れる前に、「うちのフォルダ管理、このままで大丈夫?」という確認だけでも価値があります。便利さを増やす前に、まず事故が起きにくい作業場を作る。この順番が、小さな会社には向いています。
あきらの一言
昨日の修理で一番思ったのは、AIは仕事を速くしてくれるけど、片付けまでは勝手に完璧にしてくれないということです。軽貨物でも、車が増えたら鍵の管理表が要ります。AIも同じで、作業場が増えるなら「どこが本番か」を決める。ここをサボらない会社が、AIを長く安全に使えると思います。
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