「うちの社員、AIに何を貼っているんだろう」

「事務の子が見積書をまるごとChatGPTに貼って、文章を直させていたんです。便利なのは分かるんですが、あれ、大丈夫なんでしょうか」

経営者の方から、こういう相談が増えています。答えから言うと、大丈夫かどうかは「何を貼ったか」で決まります。そして、社員それぞれの判断に任せている状態がいちばん危険です。

かといって「AI禁止」にすれば、業務は非効率なまま、社員は隠れて使うだけ。実際、個人のスマホで使われたら会社からは見えません。必要なのは禁止ではなく、「貼っていいもの・いけないもの」を1枚で決めて共有することです。この記事では、中小企業がそのまま使えるルールの骨組みを紹介します。

社員が悪気なくAIに情報を貼ってしまう場面

なぜ「貼るだけ」が問題になるのか

AIチャットに入力した内容は、社外のサーバーに送信されます。サービスや設定によっては、入力内容がAIの学習に使われる場合があります。つまり、顧客名簿を貼り付けるのは、顧客名簿を社外に持ち出すのと同じ行為です。

AIへの貼り付けは社外への持ち出しと同じ

ここで大事なのは、AIが特別に危険なわけではない、ということです。メールの誤送信や、資料の置き忘れと同じ「情報の持ち出し」の一種です。ただ、AIは便利すぎるので、悪気なく・大量に・日常的に持ち出しが起きやすい。だからルールが要ります。

1枚ルールの骨組み:3色に分けるだけ

難しい規程は要りません。扱う情報を3色に分けて、A4一枚に書くだけです。

情報を赤・黄・緑の3色に分ける

🔴 貼ってはいけないもの(レッド)

  • 顧客の氏名・住所・電話番号・メールアドレス(顧客名簿)
  • 取引先との契約書・見積書など、相手の社名や金額が入ったもの
  • パスワード・口座情報・マイナンバー
  • 社員の個人情報(履歴書・給与など)

🟡 加工すれば貼ってよいもの(イエロー)

  • 顧客名を「A社」「山田様」などに置き換えた文章
  • 金額や日付をぼかした見積もりの構成
  • 実名を外したクレーム内容の要約

🟢 そのまま貼ってよいもの(グリーン)

  • 自社のHPやパンフレットなど、すでに公開している情報
  • 一般的な文章の下書き・言い回しの相談
  • 業界の一般知識に関する質問

社員に伝えるときは、「迷ったらイエロー扱い=実名と数字を消してから貼る」の一言を添えると、判断に迷う場面がぐっと減ります。

ルールを決めたら、あと2つだけ整える

整えるのは1枚ルール・会社アカウント・相談窓口の3点

1. 会社のアカウントを用意する。個人アカウントの寄せ集めで使うと、誰が何に使っているか把握できず、退職時の整理もできません。有料プランの多くは、入力内容を学習に使わない設定や、組織での管理機能を備えています。月数千円で「見えない持ち出し」が「見える利用」に変わるなら、安い投資です。

2. 相談窓口を決める。「これ貼っていいですか?」を聞ける相手を1人決めておきます。ルールに書いていないケースは必ず出てきます。そのとき隠れて使われるのではなく、聞いてもらえる空気のほうが、どんな罰則よりも漏洩を防ぎます。

私自身、ひとり会社でAIを業務の中心に使っていますが、自分に対しても同じルールを敷いています。顧客の実名はAIに渡さない、パスワード類はAIが読めるファイルに書かない。便利さの上限を決めるのではなく、危険の下限を決める。この順番なら、AIの恩恵は保ったまま守れます。

まとめ:禁止でも野放しでもなく、1枚のルール

  • AIへの貼り付けは「社外への持ち出し」と同じ。悪気なく起きるからルールで防ぐ
  • 情報を赤・黄・緑の3色に分けてA4一枚にまとめる。迷ったら黄色扱い
  • 会社アカウントの整備と、相談窓口の指名をセットにする

「うちの業務だと、どれが赤でどれが緑か分からない」という場合は、業務内容を伺いながら一緒に色分けするところからお手伝いできます。

  • コマチWEBサポートのHPでサブスクプランを見る: https://komachi-dx.com
  • LINE公式で無料相談: https://line.me/R/ti/p/@633tppon
  • メール相談: [email protected]

💬 あきらの一言

私は仕事の大半をAIに任せていますが、顧客の実名だけは今もAIに渡していません。ルールを紙1枚にしてからは、「これ貼っていいのかな」と迷う時間が消えました。禁止ではなく色分け。ひとり会社の私でも効いたので、人を雇っている会社ならなおさらだと思います。

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